「おさん」の感想
おさん
おさん
初出:「改造」1947(昭和22)年10月

太宰治

分量:約27
書き出し:一たましいの、抜けたひとのように、足音も無く玄関から出て行きます。私はお勝手で夕食の後仕末《あとしまつ》をしながら、すっとその気配を背中に感じ、お皿を取落すほど淋《さび》しく、思わず溜息《ためいき》をついて、すこし伸びあがってお勝手の格子窓《こうしまど》から外を見ますと、かぼちゃの蔓《つる》のうねりくねってからみついている生垣《いけがき》に沿った小路を夫が、洗いざらしの白浴衣《しろゆかた》に細い兵...
更新日: 2022/04/07
c44b7ebe53fdさんの感想

「おさん」は、「斜陽」と対になっている作品ですから、先に「斜陽」を読んでおかないと、この作品の本当の意味は分からないと思われます。 「斜陽」の最終回から時を置かずに書かれたと思われますが、「斜陽」の重要なテーマである“革命”について、「斜陽」では消化不良で終わってしまった部分を、「おさん」で書き直したように読めます。 「斜陽」発表後に、誰かに矛盾点を指摘されたのか? もしくは、自分で「やはり失敗だった……」と感じて補足したのか? はたまた、計算ずくで逆説的な別な作品を書き足すことで完成としたのか? 「永遠に完成しないのに破壊する」のくだりは、「斜陽」の元になった太田静子の日記の引き写しですが、太宰は静子の書いているものとは、全く逆のロジックにしてしまっています。 そこが「斜陽」最大の破綻部分なのですが、「おさん」では、その部分を敢えて取り込んで、ストーリーに無理矢理押し込んで、「斜陽」とは逆説的なことを書いているのですから、「斜陽」の言い訳作品かな? と穿って見てしまう訳です。

更新日: 2021/05/26
19双之川喜41さんの感想

 ジャーナリストの自殺は 無かったことなので 反省をを求めるために死ぬと言う。 妻は 白けきって 馬鹿ばかしさに身悶えしながら 死骸を受けとりに諏訪にむかう。 出来は いまいちかなと思った。

更新日: 2018/10/11
a82d56190757さんの感想

奥さんの心の動きに同情します。 その心に沿うような生き方って有ると思いながらも、悲劇的に生きるしかなかったのが太宰なのでしょう。

更新日: 2017/02/27
a3afb236b53dさんの感想

女性の目線だけど書いてるのは男。理想の女性像ってこと?都合が良すぎ。と思っても読んでしまう。そこが太宰なんだよね.

更新日: 2015/12/23
f160d505b5c1さんの感想

夫目線だと全く違う話になるんだろうなぁ。