「矛盾の様な真実」の感想
矛盾の様な真実
むじゅんのようなしんじつ

梶井基次郎

分量:約9
書き出し:「お前は弟達をちつとも可愛がつてやらない。お前は愛のない男だ。」父母は私によくそう云つて戒めた。實際私は弟達に對して隨分突慳貪であつた。彼等を泣かすのは何時でも私であつた。彼等に手を振り上げるのは兄弟中で事實私一人だつた。だから父母のその言葉は一應はもつともなのであるが私は私のとつてゐた態度以外にはどうしても彼等が扱へなかつた。私はどちらかと云へば彼等には暴君であつた。然しとにかく弟達はそれの或程...
更新日: 2025/04/19
猫のにゃんたろうさんの感想

なにが真実なんだろうと考えさせられた。弟たちに対しての暴漢。それでも客観的な自分。 けんかの場面では客観的に想像さえする。 何度も読む必要が自分にはありそうです。

更新日: 2024/04/24
19双之川喜41さんの感想

 本当は 喧嘩なんか したくはない。その心とは 矛盾しているように 道端で 殴り合っている。攻撃の為ではなく 名誉の為に 弱々しく 殴り返している。周りから 引き離されると けんけんを しつつ その場から 去っていく。弱虫少年の 去り際が なかなか 見事な ものだと 想った。

更新日: 2019/02/01
de95e8002691さんの感想

少年の後ろ姿が美しい。

更新日: 2018/08/12
いちにいさんの感想

弱さ、肉体的にも精神的にも。 弟を見ると自分の弱さが投影されるので、反動で彼を罵倒してしまう。 要するに、見たくないのだ! 哀れで惨めな姿を。 それはまさに自分の姿だった。