「お伽草紙」の感想
お伽草紙
おとぎぞうし
初出:筑摩書房刊、1945(昭和20)年10月

太宰治

分量:約179
書き出し:「あ、鳴つた。」と言つて、父はペンを置いて立ち上る。警報くらゐでは立ち上らぬのだが、高射砲が鳴り出すと、仕事をやめて、五歳の女の子に防空頭巾をかぶせ、これを抱きかかへて防空壕にはひる。既に、母は二歳の男の子を背負つて壕の奥にうずくまつてゐる。「近いやうだね。」「ええ。どうも、この壕は窮屈で。」「さうかね。」と父は不満さうに、「しかし、これくらゐで、ちやうどいいのだよ。あまり深いと生埋めの危険がある...
更新日: 2020/11/17
19双之川喜41さんの感想

 太宰は 中島飛行機工場の側に 住んで居たので 東京大空襲を受け 防空壕に 逃げ込み 娘に 読み聞かせをしたりした。 コブトリは 性格の 悲喜劇。 浦島には 桜桃の酒。 カチカチ山は 惚れたが 悪いか。 舌切りスズメは 爺さん 出世とする。 桃太郎を 取りあげない 訳。 軽いので 少しだけ 読めば 足りるかもしれないと感じた。

更新日: 2019/05/28
8ad5f6d35a98さんの感想

あの著名な作者が、こんな剽軽な文をしたためることに感動すら覚える。一見面白おかしいだけの文章に見えるが、たまに出てくる言い回し・言葉のセレクションにいちいち心動かされるのは、私だけだろうか。

更新日: 2018/05/08
ec538f32331eさんの感想

瘤取り爺さん、浦島太郎、カチカチ山、舌切り雀等のお伽噺のパロディ。瘤とりは案外あっさり、浦島はファンタジー小説的だが、海亀の皮肉さが辛辣。カチカチは、美少女ウサギと醜男タヌキの表裏の掛け合いが超面白い。舌切りはの爺さんは、自分自身を反映させていたのかと感じた。いずれにしても、太宰らしさが強く感じられた。きっと、太宰は、愛娘園子に、お伽噺の本を読んで聞かせつつ、頭の中では、ニヤニヤしながら、本作品の構想を練っていたに違いない。それにしても、しばらくお伽噺には縁が無かったが、洋の東西を問わずに、残酷、特に婆汁には驚いた。桃太郎に手をつけなかったのは、父親としての優しさか。

更新日: 2018/04/29
1a7da6eff4e7さんの感想

これは子供に読み聞かせできないな笑。性格がひん曲がっても嫌だし、乙姫に影響されても嫌だから。

更新日: 2017/09/17
0395f238841dさんの感想

舌切り泣けるわ 嫁大切にしなきゃな

更新日: 2015/10/07
aa85a739397dさんの感想

太宰治の最高傑作だと個人的に思います