若き時代の道
わかきじだいのみち
初出:「関西学院新聞」1937(昭和12)年5月20日号分量:約6分
書き出し:人間として何か意味のある生活を生きぬきたいという極めて自然な望みと、現代の社会で私たちが生活して行かなければならないための生活の形というものとの間に、今日は実に深い矛盾がある。明治時代は、学校で学問をすることと、社会に出てからその蘊蓄《うんちく》を傾けて立派な人間的活動をすることとは、少くとも或る程度までは一致して考えることが出来ていた。現在はそうでない。いかに生きるべきかという問題の内容は非常に...