ラジオ時評
ラジオじひょう
初出:「東京日日新聞」1940(昭和15)年11月26、27日号分量:約5分
書き出し:ラジオの生活性ラジオは誰でも毎日耳で聴いているものだ、ということについて、今日ラジオを送り出す方の側の人々は、どんな感覚をもっているのだろうか。私たちがラジオを自分たちの耳で聴いている、という事実の裡には、案外なかなか複雑な意味があるのだと思う。ラジオは音だから、耳で聴いているのはあたり前というだけのものではなかろう。毎日の耳で聴いている、ということは、めいめいの生活そのものの感情で、聴いていると...