「夏蚕時」の感想
夏蚕時
なつこどき
初出:「つばさ 第二巻第四号」つばさ発行所、1931(昭和6)年4月1日

金田千鶴

分量:約69
書き出し:一午過ぎてから梅雨雲が切れて薄い陽が照りはじめた。雨上りの泥濘道を学校帰りの子供達が群れて来た。森田部落の子供達だ。山の角を一つ廻ると、ゴトゴト鳴いてゐた蛙の声がばったり熄んだ。一人の子がいきなり裾をからげて田の中へ入った。そしてヂャブヂャブさせ乍ら蛙を追ひ廻した。「厭《や》アだな!秀さはまた着物汚してお父《とう》まに怒られるで……。」後から来た女の子達のひとりが叫んだ。「要《い》らんこと吐《こ》...
更新日: 2022/04/12
19双之川喜41さんの感想

 信州の山奥の 貧しい部落での 先の見えない 養蚕の 苦労話が延々と続く。これといった 筋立てが 忍ばせてあるわけではないけど 挽き過ぎや 盗難を 防ぐために 水車小屋には 見廻りしなくては ならないことなど 興味深い。