「泣虫小僧」の感想
泣虫小僧
なきむしこぞう

林芙美子

分量:約89
書き出し:一閻魔蟋蟀《えんまこおろぎ》が二匹、重なるようにして這いまわっている。啓吉は、草の繁った小暗いところまで行って、離れたまま対峙《たいじ》している蟋蟀たちの容子《ようす》をじいっと見ていた。小さい雄が触角を伸ばして、太った雌の胴体に触れると、すぐ尻を向けて、りいりい……と優しく羽根を鳴らし始めた。その雄の、羽根を擦り合せている音は、まるで小声で女を呼ぶような、甘くて物悲しいものであったが、蟋蟀の雄に...
更新日: 2020/10/01
245f21dfaaeaさんの感想

切なさが残ります。女の生き方は残酷です。良いも悪いもありません。そうしたいのでしょう。 子どもは切なさ胸に生きていくのです。理解が出来ずに、恋しがる母親を。

更新日: 2020/01/05
19双之川喜41さんの感想

 若い後家なので 男をつくるのは よくある話で 男は 子供好きではないから 親戚に 無理に預けられた小僧を残して 夫婦気取りで 九州に 行ってしまう。 残された子供の 心細さが 胸に迫る。 究極の虐待かもしれないと感じた。