「私の書に就ての追憶」の感想
私の書に就ての追憶
わたしのしょについてのついおく

岡本かの子

分量:約6
書き出し:東京の西郊に私の実家が在つた。母屋の東側の庭にある大銀杏の根方を飛石づたひに廻つて行くと私の居室である。四畳半の茶室風の間が二つ連なつて、一つには私の養育母がゐた。彼女はもう五十を越してゐたが、宮仕へをした女だけあつて挙措が折目正しく、また相当なインテリでもあつて、日本古典の書物の外に、漢詩とか、支那の歴史ものを読んでゐた。字も漢字風に固い字を書いた。当時五歳の私に彼女は源氏物語の桐壺の巻を「何れ...
更新日: 2020/12/04
19双之川喜41さんの感想

 岡本は 自らの書の特徴を 正確にとらえており 自身の 性格が 投影していることも 客観的に 分析している。 私のように 稚拙な字を書くものにとっては ただただ まぶしく 称賛にあたいすると 思うのである。

更新日: 2018/09/18
大宇宙の少年さんの感想

今でいうと自閉症スペクトラム的な個性があったように思います。こだわりが強くて内面的な気質を持ち、不器用で多少普通には生きづらいところがある気がします。しかし熱中できる何かがあり、それを認めてくれる人がいたことが幸運なことであったと感じました。あの有名な岡本太郎の母ということを知り驚きました。