「幸福への道」の感想
幸福への道
こうふくへのみち
初出:「新潮」1915(大正4)年1月

素木しづ

分量:約20
書き出し:『上れますか。』高い、こまかい階段《きざはし》の前に、戀人の聲が、彼女の弱い歡樂の淡絹《※エル》をふりおとした。彼女は、立止まつた、その瞬間、いま賑かな街を俥で飛んで來た、わづか十五分間の、眩惑されるやうな日のなかの、うれしさの心まどひが、彼女の心の底に常にひそんでゐる孤獨と悲哀の恐ろしさに、つゝまれてしまつた。『私の幸福を、私の弱さがさまたげやしないか。』彼女は、非常に弱かつた。そしてその足は、...
更新日: 2024/04/14
19双之川喜41さんの感想

 逢い引きの 行き 帰りの 心情風景が 美しく 濃やかな 筆致で 描かれている。詩情溢れた 稀に見る 優れた 文章と 想った。詩は 人を 天に上げ 天を 地に 降ろすと 謂われることは ないでも ないらしいけど まさに 同感であると 感じた。

更新日: 2016/06/16
YELLOWテントマンさんの感想

幸福への道は例えたどり着けなくても、歩くことが大切なのだ。難しかった。