「後世」の感想
後世
こうせい
初出:「東京日日新聞」1919(大正8)年7月27日

芥川竜之介

分量:約3
書き出し:私は知己を百代の後に待たうとしてゐるものではない。公衆の批判は、常に正鵠を失しやすいものである。現在の公衆は元より云ふを待たない。歴史は既にペリクレス時代のアゼンスの市民や文芸復興期のフロレンスの市民でさへ、如何に理想の公衆とは縁が遠かつたかを教へてゐる。既に今日及び昨日の公衆にして斯《か》くの如くんば、明日の公衆の批判と雖も、亦推して知るべきものがありはしないだらうか。彼等が百代の後よく砂と金と...
更新日: 2024/05/01
19双之川喜41さんの感想

 この 文章が 掲載されてから 100年以上経過しているけど 著者の 人気は 依然として 続いている。芥川の 謙虚な お人柄が ひしひしと 伝わってくる。「読者の心の前に、朧(おぼろ)げなりとも浮かび上がる私の蜃気楼(しんきろう)」を、想像すると 記す。かかる 大作家の 作品に いつでも どこでも 触れることが できることは 大変 幸せな ことだと つくづく 想った。 

更新日: 2022/11/24
鍋焼きうどんさんの感想

先生! 百年経っても貴方の愛読者は大勢いますよ。教科書にも採用されているのでほぼ全ての国民が一度は先生の作品に目を通してますよ。

更新日: 2022/03/26
0f33d4b9dc13さんの感想

とても心に刺さる文章でした。 私は好きです。

更新日: 2020/10/08
青村壱さんの感想

芥川の作品は残り続けるか否か。それを決めるのは読者であり、時代の先頭を生きる者である。ただ、私は願う。残り続け、読まれ続けることを。

更新日: 2020/08/11
403f32eca56dさんの感想

何気なく選び、何気なく読んだ本だったが、著者は数十年も先の誰かもわからない読者を想定し、その読者にたった一節でも心に響いたならば、と思い馳せている描写があり、まさに自分が指名されたかのような不思議な感覚を覚えた。

更新日: 2017/12/02
d6b6670672baさんの感想

あと二年でこの掲載からようやく百年だけど今も尚あなたの読者はいて、その読者の心の前に朧げなりとも芥川さんの蜃気楼が浮かび上がりますよと伝えたくなった。