国木田独歩
独歩の文章の美しさが、短編のこの小説に独自の美しさを与えていると思う。 物語の幻想的な展開の面白さとひとのおもいの熱さとがあいまって1つにまとまり、光を放っている眩しい小説だと思った。
年上の女は別れた弟と我が身の行末を思い涙に暮れる。少年はそれを思いながら春の夜の夢心地に思う。乗る小舟が哀れを誘う。