干ばつなので 水乞いの為 娘を池に 捧げるかわりに 毎日 鐘を撞くことを誓う。 そんな伝説を採取にきた男が 鐘突男となり壮大な話にまきこまれる。 有名人を 配役にあてはめてみるのも 面白いかもしれない。 確か 映画化されたような 気もする。
夜叉ヶ淵という大きな湖がある。その湖のほど近くには鐘突き堂と一軒家があった。その鐘は、昔々人と神様が交わした約束に深く関わっていた。そんな鐘の存在など信じない村民と、その一軒家に住み鐘を守る一組の夫婦との軋轢、東京から友達を探しにやってきた学徒、別の湖の神に恋をする夜叉ヶ淵の神様が揃ったとき、神と人との約束は崩壊する。 信心では衣食住は賄えない、しかし衣食住だけではどうしようもできない心の芯の部分にそれは必要になってくる。誰かのそれを嘲笑ったり軽視する権利は誰も持っていないし、自分の信じるものだけを押し付けるのもまたおかしな話だ。 村民はだれも神様との約束を信じていない。神様が恋した相手に会いに行きたいと切に願っていたが、百合夫妻を見て、我慢していることも知らない。だから読者から見ればすっとんきょうなことも平気でしようとする。しかし、これもまたひとつの信仰の形であったように思う。生贄を捧げればよいというのは、人間が勘違いしたとんでもないものではあったが、神の言葉を忘れてしまった人間なりの精一杯の信仰心の形だったのではないだろうか。ともあれ、間違ったものは罰されなければならない。ずいぶんと大きな代償ではあったが、相手はそれだけ大きな力を持ったものであるし、度々間違えてきたこともある。 しかし、学友はいったいどうなってしまうのだろうか。辺り一帯水に飲まれたのか??その状態で家に帰れるのか??ただそれだけが最後気になった。
美しい。大好きな戯曲。 是非演じられているところを観てみたい。