――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)
横光利一
捕虜を 秘かに自宅に連れ込んで 腹一杯 食事をさせた男が 召集されて戦地に 赴いた。 その直後に 終戦となり 解放された捕虜は 連日 駅頭で 恩人である男を 待ち続けた。 やっと思いが叶い 敗残兵と嘗ての捕虜は 再開し抱き合ったという。