「幻談」の感想
幻談
げんだん

幸田露伴

分量:約50
書き出し:こう暑くなっては皆さん方《がた》があるいは高い山に行かれたり、あるいは涼《すず》しい海辺《うみべ》に行かれたりしまして、そうしてこの悩ましい日を充実した生活の一部分として送ろうとなさるのも御尤《ごもっと》もです。が、もう老い朽《く》ちてしまえば山へも行かれず、海へも出られないでいますが、その代り小庭《こにわ》の朝露《あさつゆ》、縁側《えんがわ》の夕風ぐらいに満足して、無難に平和な日を過して行けると...
更新日: 2019/05/01
35c27626207dさんの感想

江戸弁は聞いても読んでも、リズム感にあふれていて誠にさわやかな印象を受けます。露伴の描く釣り客が粋な人で、こんな暮らしが出来ぬものかと、憧れを抱いてしまいます。 夢枕獏の小説『大江戸釣客伝』の序の段に『幻談』という同名の書き物がありますが、その段の後書きで、幸田露伴のこの作品へのオマージュとして書かれたものだと知りました。 釣り好きな方はそちらの作品もおすすめです。