泉鏡花
男は 鞄の中に 位牌を始め 一切合切を詰め込んで なぜか鞄の鍵を捨ててしまったので 婚礼に向かう 女の 着物の袖が 挟まっても どうしようもなくなってしまった。 単純な 謎解きというわけではなく ふたつの人生が 偶然にも 交差する有様を 美しく綴っていると感じた。