「縷紅新草」の感想
縷紅新草
るこうしんそう

泉鏡花

分量:約72
書き出し:一あれあれ見たか、あれ見たか。二つ蜻蛉《とんぼ》が草の葉に、かやつり草に宿をかり、人目しのぶと思えども、羽はうすものかくされぬ、すきや明石《あかし》に緋《ひ》ぢりめん、肌のしろさも浅ましや、白い絹地の赤蜻蛉。雪にもみじとあざむけど、世間稲妻、目が光る。あれあれ見たか、あれ見たか。「おじさん——その提灯《ちょうちん》……」「ああ、提灯……」唯今《ただいま》、午後二時半ごろ。「私が持ちましょう、磴《い...
更新日: 2020/12/04
19双之川喜41さんの感想

 蜻蛉(トンボ)の交尾の唄から 始まるので 身構えてみても 意味のある筋が展開するわけではなく  落胆する向きも  あると思うけど 美的で透明な 詩情に 溢れ 神や仙人の 仕業と高く評価されているのが なるほどと思われる。