芥川竜之介
気分転換に ふと 入った 神田の銭湯 松の湯で 馬琴(ばきん)は すが目の男が 聞こえよがしに 馬琴の作品を 罵倒(ばとう)するのが 聞くともなく 耳に入る。男いわく 「焼き直しでげす。二番煎じ。」言うことが 的を射ているので 余計 辛く感じる。版元は 次郎吉を 書くようにと 執拗に 攻め立てる。女房は 金にもならないのにと 陰口を叩く。馬琴は 三方から 攻め立てられても めげないのには 感心する。
フィナーレに向けて段々明るい気持ちになりました。