「雑筆」の感想
雑筆
ざっぴつ

芥川竜之介

分量:約33
書き出し:竹田《ちくでん》竹田《ちくでん》は善《よ》き人なり。ロオランなどの評価を学べば、善き画描《ゑか》き以上の人なり。世にあらば知りたき画描き、大雅《たいが》を除けばこの人だと思ふ。友だち同志なれど、山陽《さんやう》の才子ぶりたるは、竹田より遙に品《しな》下《くだ》れり。山陽が長崎に遊びし時、狭斜《けふしや》の遊《いう》あるを疑はれしとて、「家有縞衣待吾返《いへにかういありわがかへるをまつ》、孤衾如水已...
更新日: 2021/01/13
19双之川喜41さんの感想

 28編からなる随筆集である。 9番目の(痴情) が  とりわけ面白い。 写尽せんとせば  房中のことに及ばざるを得ず  これは役人の禁ずるところなり 故に小説家は 最も迂遠な仄筆を使って 十の八九を描くこととなる。 芥川は  制約はない方が良いと思っていたようである。