芥川竜之介
28編からなる随筆集である。 9番目の(痴情) が とりわけ面白い。 写尽せんとせば 房中のことに及ばざるを得ず これは役人の禁ずるところなり 故に小説家は 最も迂遠な仄筆を使って 十の八九を描くこととなる。 芥川は 制約はない方が良いと思っていたようである。