芥川竜之介
幽霊の存在を信じるかは別としても、 そうした心霊的な小説が西洋にも東洋にも古くからある。西洋のそれは、見るもおぞましい醜顔ではなく、ちゃんと洋服を着た紳士・淑女のようだ。 ワシントンの幽霊がアメリカ出征軍に 加担する。うらめしや~、とは決して言わない。怨念・祟りというような、 ジメジメした暗い湿地が舞台ではない。もっと英雄視しているのだ! 宮本武蔵の霊がB29を切り落とすような話が日本にもあってよかったと考えてしまう。