「放浪」の感想
放浪
ほうろう
初出:「文學界 第七年第五号」文藝春秋、1940(昭和15)年5月

織田作之助

分量:約59
書き出し:一大阪は二ツ井戸「まからんや」呉服店の番頭は現糞《げんくそ》のわるい男や、云うちゃわるいが人殺しであると、在所のお婆は順平にいいきかせた。——「まからんや」は月に二度、疵ものやしみつきや、それから何じゃかや一杯呉服物を一反風呂敷にいれ、南海電車に乗り、岸和田で降りて二里の道あるいて六貫村へ着物《べべ》売りに来ると、きまって現糞わるく雨が降って、雨男である。三年前にも来て降らせた。よりによって順平の...
更新日: 2022/09/06
鍋焼きうどんさんの感想

とても愚かしく、而してまた憐れむべき順平文吉兄弟。遊興の世界で金を毟り取られ続けて、流されるままに墜ちていく。文吉の最期は衝撃的だった。