雙之川喜1941 昼か、夜か、それは おれにも わからない。同様の くだりが 四回 出てくる。精神的な 重圧感が 芥川を 押し潰す 寸前の 苦しさが 伝わって くる 様に 感じた。
妖しくも美しい幻想の世界。
幻想の世界を目の前に開いてくれる芸術家の技能。
要は気味の悪い沼から「船旅への招待状」の曲が聞こえそこへ「スマトラ忘れな草の花」を探しに行った。しかし沼に飛び込むと自分は死に死骸の口から伸び白い睡蓮の花が咲いた。それを見ている死んだ自分もいるというお話し。
自死の 予感が 暗示されているような 気がしてならない。 昼か 夜か わからない 沼のほとりを 歩いているという。 沼の底に横たわり 口から茎が 水面にむかって 延び 白い睡蓮の花が 鮮やかな 蕾を破った。
短いながらも美しい言葉で連ねられた、しっとりと心に馴染む小説でした。沼という比較的暗い単語に少しずつ幻想を肉付けしていくような……普通の人間には到底わからないものを孕んでいるような気がします 昼読んでも夜読んでもそれぞれ響くものがありますのはやはり本文の影響でしょうか。
沼のほとりを歩く、というイメージだけで暗い。死を彷彿させる陰鬱さ。 沼の光なき底に自分の亡骸が沈んでいるイメージ。精神的にも肉体的にも限界を超えた妄想である。尋常ではない!悪夢でもそんな夢は見ない。 芥川もかなりヤバイ!