「或社会主義者」の感想
或社会主義者
あるしゃかいしゅぎしゃ

芥川竜之介

分量:約4
書き出し:彼は若い社会主義者だつた。或小官吏だつた彼の父はそのためにかれを勘当《かんだう》しようとした。が、彼は屈しなかつた。それは彼の情熱が烈しかつたためでもあり、又一つには彼の友だちが彼を激励したためでもあつた。彼等は或団体をつくり、十ペエジばかりのパンフレツトを出したり、演説会を開いたりしてゐた。彼も勿論彼等の会合へ絶えず顔を出した上、時々そのパンフレツトへ彼の論文を発表した。彼の論文は彼等以外に誰も...
更新日: 2023/05/29
鍋焼きうどんさんの感想

社会主義は若者にとって一種の麻疹のようなもの。こじらせないのが普通。

更新日: 2022/07/13
06e8450c83baさんの感想

大人になるってこういうことっていうのがわかる作品。 そして自分は大人になってしまっても、昔形に残したものは残り続け人に影響を与えたり与えなかったりする。 そうして若いときの己の思いは誰かの中に生き続けていく。 果たして青年も大人になってしまうのか、それとも誰かに影響を与えるようことを成し遂げられるのか気になりますね。

更新日: 2022/01/05
515386903a67さんの感想

どんなことが自分以外の人や事象に影響を与えたり、そこが元になって人を形成して文化と成ったり、はたまた一方で破壊に繋がるかはわからない。きっかけや動機という事柄は、どんな人も少なからず周囲に影響を与えたり影響を及ぼしているだろうし、また、社会主義活動や思想や政治活動などに身を投じたりすることの多くは自ずと自らの安心や安寧秩序ある暮らしや支えの渇望によるものでしょう。結果として社会主義活動家のなかの一握りが「政治活動家」と呼ばれる人たちであったり、また、落伍者と呼ばれてしまう多くの活動家を目指した人たちもまた、己の幸せという安寧秩序が身近な暮らしであっただけという、どちらも人間として至極当然の成り行きであるだけにすぎない、善悪なき、ひたすら人間であるはたらきと証明されただけの事象であるように思います。たんたんと語る文体は芥川龍之介の俯瞰のなせるわざなのだと感じます。

更新日: 2021/12/26
e658d00a2cd8さんの感想

おカネを稼ぐと言う手段のために働いていたのに、いつしか本来の目的である社会主義の流布?啓蒙活動をやめてしまうのが皮肉が効いてると思った。まあおもろかったのでなんでもいいです。

更新日: 2021/10/13
f1bda0307997さんの感想

この会社員の人生が分かる。

更新日: 2020/11/27
19双之川喜41さんの感想

 信じていることを 貫き通すと 褒められることはある。 生きる為には 世の中を 遊泳して往かなければならないことは よくあるので 他人の 褒め言葉に 酔っていると そのコストの膨大さに 泣きを見る。 為に 変身せざるを 得なくなってしまうのかもしれない。 誰も 責められないと感じた。

更新日: 2020/09/26
18347c8a41bfさんの感想

青春とか若さって何なんでしょうか。ただの未熟でしょうか。それとも老いが衰弱であり退化なんでしょうか。考えさせられました。

更新日: 2020/03/18
日本の文学を勉強中さんの感想

「彼」は、どうしてそんなに社会主義に熱心なのだろうと思いました。

更新日: 2018/12/27
6cf42b75e4d2さんの感想

青年もまた彼の様に大人になるのかな。

更新日: 2018/12/23
627106d05094さんの感想

短い文章でしたでした。が、読んだ後の感情が複雑だ。彼は最終的にも社会主義者にならなかった。これは彼の若者時代の夢で、命と同じ価値があるとたとえしても言い過ぎない。しかし、夢を人生の長さに守るのが難しい。やめるのも痛い。家庭を守るか、友人との一緒な夢を続けるか、家庭と仕事の両立をうまく処理できないのが人共通の悩みである。実は、どんな決定を作っても、それも自らの人生だ。そして、かかった精力が無駄な徒労にならない。彼と同じように、自分自身も知らなかった間に後の若者の人生を改変したではないだろうか。これも同然人生の生き甲斐だ。

更新日: 2018/10/06
ebc7c1765a94さんの感想

确实是很好

更新日: 2018/08/13
e182d47121e1さんの感想

発表年月を見ると、死の間際の作品であったのですね。短く人生を総括するような作品です。何を思いながら芥川はこれを書いたのか、考えさせられます。

更新日: 2018/03/01
まえにいさんの感想

若年期の余り有る情熱を注いだ一作品は若い芽を芽吹かせたが、当の作者はそれを懐かしむばかりである。 時勢の移ろいによって情熱は徐々にしかし着実に消えてしまう。 恐らく多くの人間はこれを体験している。

更新日: 2017/12/15
84e940443f8bさんの感想

老後になっても、青年の燃えたぎるような情熱を傾けられるような真の哲学こそが必要だと感じた。 社会主義もたしかにエネルギッシュな革命思想ではある。ただ、時代や環境によって淘汰され、あるいはサビレを感じさせるような思想に人生を費やしてしまった男の、哀れとはいわないまでも哀愁漂う描写にとても考えさせられるものがあった。

更新日: 2016/08/23
fa7246ad620aさんの感想

思想に生きた青年期を過ごした人には、救いと、物寂しい共感とがない交ぜになった感情を与える一篇。

更新日: 2015/07/13
597aefda487aさんの感想

人間的な希望を感じさせるものの、かつての揺るぎない思想を環境の変化とともに失うはかなさを描いている。 実感を起こさせる描写はなく、作者が予防線のように言葉だけで書いたようにも思える。

更新日: 2015/07/09
c40fd6f91e77さんの感想

あるある。