「地図にない街」の感想
地図にない街
ちずにないまち
初出:「新青年」1930(昭和5)年4月号

橋本五郎

分量:約42
書き出し:私にこの物語をして聞かせた寺内《てらうち》とかいう人は、きくところによると、昨年の十一月末、ちょうど私がこれを聞いて帰ったその日の夜七時頃、もう病気をつのらせて、自ら部屋の柱に頭を打ちつけて死んだのだそうである。七時といえば私を送り出してから、まだ三時間とたっていない出来事である。世間話のうちにふとこれを伝えてくれた私の知人は、その時いつにない私の驚きに対して、無論寺内氏の死は自殺であるが、正しく...
更新日: 2024/09/22
時間旅行者さんの感想

偶然を装いながら、全て用意周到に計画された企て 最期の出会いがなければ不思議な出来事で終わる事ができたのに 運命のいたずらで人生を失う 恐ろしさ

更新日: 2018/09/15
ハルチロさんの感想

読み始めの鬱々とした、当時の時代背景、不況下の労働者の境遇などを綴った作品かと思い読み進めた。やがて、本作品の核心部分であり、冒頭、主人 公に纏う背景が明らかになる。この展開は、苦境に喘ぐ人間を、一時の快楽で釣り上げ、更なる地獄へ突き落とす。人間を一個の物として品定めし、必要なくば廃棄するという、この恐ろしい“犯罪”に背筋が寒くなりました。

更新日: 2017/12/20
ec538f32331eさんの感想

ドロドロしていてそれなりに面白い。