「うつせみ」の感想
うつせみ
うつせみ
初出:「讀賣新聞」1895(明治28)年8月27~31日

樋口一葉

分量:約21
書き出し:(一)家の間數は三疊敷の玄關までを入れて五間、手狹なれども北南吹とほしの風入りよく、庭は廣々として植込の木立も茂ければ、夏の住居にうつてつけと見えて、場處も小石川の植物園にちかく物靜なれば、少しの不便を疵《きず》にして他には申|旨《むね》のなき貸家ありけり、門の柱に札をはりしより大凡《おほよそ》三月ごしにも成けれど、いまだに住人《すみて》のさだまらで、主なき門の柳のいと、空しくなびくも淋しかりき、...
更新日: 2025/12/12
艚埜臚羇1941さんの感想

  雪子という若い女性が 精神の均衡を欠き 短い宿替えを 繰り返す ようになる。憎からず 想っていた 男性を 袖にしたいきさつを 過剰に 自らの 責任と 思い込み あらぬ ことを 口走り あたかも 蝉の 抜け殻の ような 錯乱した 憐れなる 精神状態から 抜け出す ことが できなくなる。めりはりを つけるために 展開は 極端な 表現が 続くので 読み手も 苦悩を 共有し 辛い 読書体験となる。蝉の 殻に 蝉が 戻ることは もとより 二度と ないので ある。

更新日: 2024/01/31
95657acce5cfさんの感想

心壊れたる娘の鬼気迫る言動がまざまざと見える描写力 それを看護する家族らの焦燥、後悔、回復を願う気持ち 読後のやるせなさが、実に生々しく感じられる怪作

更新日: 2017/06/21
b9ef941530ccさんの感想

樋口一葉のうつせみは、これも、やはり、古文。近代文学とは言わず、近世文学、江戸時代の文学と大差なし。現代口語文と古文の混ぜ合わせ。句読点も中高生の作文の参考、お手本には全くならないい。