雪子という若い女性が 精神の均衡を欠き 短い宿替えを 繰り返す ようになる。憎からず 想っていた 男性を 袖にしたいきさつを 過剰に 自らの 責任と 思い込み あらぬ ことを 口走り あたかも 蝉の 抜け殻の ような 錯乱した 憐れなる 精神状態から 抜け出す ことが できなくなる。めりはりを つけるために 展開は 極端な 表現が 続くので 読み手も 苦悩を 共有し 辛い 読書体験となる。蝉の 殻に 蝉が 戻ることは もとより 二度と ないので ある。
心壊れたる娘の鬼気迫る言動がまざまざと見える描写力 それを看護する家族らの焦燥、後悔、回復を願う気持ち 読後のやるせなさが、実に生々しく感じられる怪作
樋口一葉のうつせみは、これも、やはり、古文。近代文学とは言わず、近世文学、江戸時代の文学と大差なし。現代口語文と古文の混ぜ合わせ。句読点も中高生の作文の参考、お手本には全くならないい。