きのうときょう
きのうときょう
音楽が家庭にもたらすもの
おんがくがかていにもたらすもの初出:「音楽評論」1939(昭和14)年8月号分量:約6分
書き出し:この間日比谷の公会堂であった自由学園の音楽教育成績発表会へ行って、それについての様々な感想につれて、自分たちが小さかった頃の生活のうちに、音楽がもたらしたあれこれの情景をなつかしく思いおこした。もうふた昔三昔のことで、私が五つぐらいと云えば明治三十年代の終りから四十年代のはじめにかけての時期になるが、その時分うちに一台のベビイ・オルガンがあった。五つをかしらに三人の子供たちをそのぐるりにあつめなが...