なつかしい仲間
なつかしいなかま
初出:「新女苑」1940(昭和15)年5月号分量:約11分
書き出し:友達ということを思うと、私の心にきっと甦って来る一つの俤がある。村上けい子さんといったあの子は今どんな風に暮しているのだろうか。やっぱり東京にいるのかしら。それとも、どこかの田舎の町にでもいるのかしら、それとももうこの世の中にはいない人になってしまってでもいるのだろうか。そういう風にこの二十何年間のうつりゆきを、まるで絶えている消息のなかに探るのである。私が小学校の六年だったとき、一年したの級《ク...