人間の浅ましい本性を著したものとして些か衝撃を受けた。但し、敏子の嬉しいという感情はやはり特殊だと思う。普通は同情して心が痛む。敏子には空恐ろしいものを感じた。
必ずしも 同病相憐れむ 場合ばかりではなく 自分でなくて 良かったと 密かに 胸を撫で下ろすことは 神様でも 有るのかもしれない。自制しようとはするけど 抑え切れない 安堵感が 沸き起こってしまう。人間は 自分で 気づかずに はるかに 浅ましい 存在なのかなとも 想った。
何とも空恐ろしい
同じ立場に置かれた者同士。その気持ちが分かる上で尚嬉しさが止まらない。 母だった(あるいは今も母なのかも知れない)敏子の幸福は、俗に言う他人の不幸は蜜の味、とは少しばかり違うもののように思いました。言葉にし難い幸福ではありますが、現実社会を見凝らせば、どこにでもあるような幸福でもあると思います。 自分だけが、何故。そんな中で似たような幸福を抱えた人が似たような不幸に遭えば…感じるのは果たして痛ましさだけなのでしょうか。 そんな複雑な人間の心理を描いている作品でした。
人の業の深さが感じられる作品 悲しさが嫉妬を招き、一見醜くく思えるそれらの感情 は何より人間らしい
読了感の悪い作品ですね。