「母」の感想
はは
初出:「中央公論」1921(大正10)年9月

芥川竜之介

分量:約25
書き出し:一部屋《へや》の隅に据えた姿見《すがたみ》には、西洋風に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、——上海《シャンハイ》特有の旅館の二階が、一部分はっきり映《うつ》っている。まずつきあたりに空色の壁、それから真新しい何畳《なんじょう》かの畳《たたみ》、最後にこちらへ後《うしろ》を見せた、西洋髪《せいようがみ》の女が一人、——それが皆冷やかな光の中に、切ないほどはっきり映っている。女はそこにさっきから、縫...
更新日: 2023/09/18
鍋焼きうどんさんの感想

人間の浅ましい本性を著したものとして些か衝撃を受けた。但し、敏子の嬉しいという感情はやはり特殊だと思う。普通は同情して心が痛む。敏子には空恐ろしいものを感じた。

更新日: 2020/08/01
19双之川喜41さんの感想

 必ずしも 同病相憐れむ 場合ばかりではなく 自分でなくて 良かったと 密かに 胸を撫で下ろすことは 神様でも 有るのかもしれない。自制しようとはするけど 抑え切れない 安堵感が 沸き起こってしまう。人間は 自分で 気づかずに はるかに 浅ましい 存在なのかなとも 想った。 

更新日: 2017/02/06
870383b32e6aさんの感想

何とも空恐ろしい

更新日: 2016/11/26
靜夜さんの感想

同じ立場に置かれた者同士。その気持ちが分かる上で尚嬉しさが止まらない。 母だった(あるいは今も母なのかも知れない)敏子の幸福は、俗に言う他人の不幸は蜜の味、とは少しばかり違うもののように思いました。言葉にし難い幸福ではありますが、現実社会を見凝らせば、どこにでもあるような幸福でもあると思います。 自分だけが、何故。そんな中で似たような幸福を抱えた人が似たような不幸に遭えば…感じるのは果たして痛ましさだけなのでしょうか。 そんな複雑な人間の心理を描いている作品でした。

更新日: 2016/10/24
23390710d5aeさんの感想

人の業の深さが感じられる作品 悲しさが嫉妬を招き、一見醜くく思えるそれらの感情 は何より人間らしい

更新日: 2016/10/23
6187397b10e3さんの感想

読了感の悪い作品ですね。