「葉書」の感想
葉書
はがき
初出:「スバル 第十号」1909(明治42)年10月1日号

石川啄木

分量:約31
書き出し:××村の小學校では、小使の老爺《おやぢ》に煮炊《にたき》をさして校長の田邊が常宿直をしてゐた。その代り職員室で使ふ茶代と新聞代は宿直料の中から出すことにしてある。宿直料は一晩八錢である。茶は一斤半として九十錢、新聞は郵税を入れて五十錢、それを差引いた殘餘の一圓と外に炭、石油も學校のを勝手に使ひ、家賃は出さぬと來てるから、校長はどうしても月五圓|宛《づゝ》徳《とく》をして居る。その所爲《せゐ》でもあ...
更新日: 2022/04/04
19双之川喜41さんの感想

 題意は 乞食もどきの男からきた礼状のことである。 學校では 群視學官にたいする 児童出席の歩合を 誤魔化して 水増しして報告することは 珍しくなかったという。 啄木の小説は 初めて読んだけど 細部の 丁寧さに 感心した。