「冬の蠅」の感想
冬の蠅
ふゆのはえ
初出:「創作月刊」1928(昭和3)年5月号

梶井基次郎

分量:約27
書き出し:冬の蠅《はえ》とは何か?よぼよぼと歩いている蠅。指を近づけても逃げない蠅。そして飛べないのかと思っているとやはり飛ぶ蠅。彼らはいったいどこで夏頃の不逞《ふてい》さや憎々しいほどのすばしこさを失って来るのだろう。色は不鮮明に黝《くろず》んで、翅体《したい》は萎縮《いしゅく》している。汚い臓物で張り切っていた腹は紙撚《こより》のように痩《や》せ細っている。そんな彼らがわれわれの気もつかないような夜具の...
更新日: 2025/04/13
猫のにゃんたろうさんの感想

凍った闇の中での病魔に襲われた人間の描写がすごい。冬の蝿の出だしと終わり方も切ない。

更新日: 2024/04/23
19双之川喜41さんの感想

 そこは 谷が 両側に 迫っているので 日照時間が 極端に短い。 療養に来た 旅館の一室にも 季節はずれの 蝿はやってくる。牛乳瓶に嵌まった 蝿は 男が 「もう落ちる時分だ」と思う頃 蝿も「ああ、もう落ちそうだ」と動かなくなる。なんとも ユーモアのある 表現だけに はかばかしい 回復を 見せない 病状に対する 苛立ちが 余計 胸に迫ると 感じた。

更新日: 2022/04/25
びたちょこさんの感想

この方の風景描写は、感情をひどく揺さぶられます。 鬱々としながらも、わずかな生きる希望や意味を見出したいともがく深層心理は、今の人々にも共通する、永遠の憂鬱なのかもしれません

更新日: 2019/11/23
いちにいさんの感想

生きているのは、「気まぐれな条件」に左右されているだけかも知れない。

更新日: 2019/07/31
de95e8002691さんの感想

不健康への回復を目指す名著