「闇の書」の感想
闇の書
やみのしょ

梶井基次郎

分量:約5
書き出し:一私は村の街道を若い母と歩いていた。この弟達の母は紫色の衣服を着ているので私には種々のちがった女性に見えるのだった。第一に彼女は私の娘であるような気を起こさせた。それは昔彼女の父が不幸のなかでどんなに酷《ひど》く彼女を窘《いじ》めたか、母はよくその話をするのであるが、すると私は穉《おさな》い母の姿を空想しながら涙を流し、しまいには私がその昔の彼女の父であったかのような幻覚に陥ってしまうのが常だった...
更新日: 2025/04/12
猫のにゃんたろうさんの感想

人の感性感情がよく表現できた作品だと感服です。

更新日: 2022/04/02
317800927174さんの感想

母への気持ちが、うっすらと見え隠れしている。本当にうっすらと。エディプスコンプレックス。

更新日: 2021/10/21
decc031a3fabさんの感想

作者の母は、作者自身に色んな想像を起こさせる存在だが、それを言葉にして出してしまうと、その場で想いが完結してしまう。全てを受け止めてくれる人を、つい自分の理想と考えてしまうけど、ただ湧き上がってきたのをそのまま出すのは独り善がりなんだって、表現上考えるキッカケになったのかもな。

更新日: 2020/11/07
19双之川喜41さんの感想

 このように  他と違った鋭い感性を持った息子を 持った母親は 内心 ではもて余すと言うか  うんざりするようなところがあったに違いない。 息子のややこしい心情を 凌(しの)いだ母親のおかげもあり 基次郎は大成したのであろうと感じた。

更新日: 2018/09/26
いちにいさんの感想

「……通る人の運命を暴露して見せる路……」はやがて暗い杉林に入って行く。梶井はコントラストを好む。明暗だ。人はやがて闇(暗)に呑み込まれる。死への存在(Sain zum Tode)を意識し自己実現する。

更新日: 2018/06/01
a5cad53f34f8さんの感想

誰かが私たちを見てその関係を言い当ててはくれないか、もしかするとそれは私が望んだものであるのかもしれない 母と子ではなく、兄妹、若しくは他の関係だと、言ってくれれば闇は晴れ、堂々としていられるのに。 そんなことを考え、ふと呟かれる母の疑問に幻想だと打ち消されてしまった。

更新日: 2018/04/03
富田百さんの感想

みんなの感想を読んでいると、本当に、ああ、その言葉だの文だのというのには、受け取った者こそが意味を与えるのだなと思いました。

更新日: 2018/03/05
高尚な文は書けないレタスさんの感想

闇の書...?一段落目の私の頭の中の 混乱した家系図のことかな? それともどこまで路を行っても誰に見られているかわからないそのスパイラルのこと? タイトルってどうやってつけてるんだろうね

更新日: 2018/01/20
d518b978ce2bさんの感想

うん…うん?この題にこの内容なら、この量は相応しくなくないですか?あまり短編小説を読まないので、その妙があまりわかりませんでした。

更新日: 2017/12/05
2f1d002587dcさんの感想

人の感情の起伏や善悪など、所詮は御しきれるものでは無いのだと感じました。 しかし、その散らばった纏まりの無さに更に人間味を感じ、醜さと美しさを発見するそんな文章に思えました。

更新日: 2016/02/20
まきむらさんの感想

お母さまが素敵なのはわかった(笑)

更新日: 2015/12/13
b6226aa70d42さんの感想

よく分からない

更新日: 2015/11/25
イリュージョン亭チェリスさんの感想

通る人の運命を暴露して見せる道。 弟たちの母と、自分。

更新日: 2015/08/02
モノさんの感想

読み終わってまず思ったのは、 主人公の『私』は若い母に恋愛感情を抱いてしまっているのだ、ということです。 時折出てくる若い母の美しさやなめかましさの表現も、実の母に抱くにはいささか扇情的な気がしました。 弟たちの母、という表現から、もしかしたら義理の母なのかもしれません。 そういった若い母に対する表現が謎めいていて、いろいろな想像が掻き立てられます。 文章にでてくる四季の表現、周りの情景描写も丁寧で、『私』の思考がよく掴めるようでした。

更新日: 2015/05/12
イリュージョン亭チェリスさんの感想

美しい情景描写。