人の感性感情がよく表現できた作品だと感服です。
母への気持ちが、うっすらと見え隠れしている。本当にうっすらと。エディプスコンプレックス。
作者の母は、作者自身に色んな想像を起こさせる存在だが、それを言葉にして出してしまうと、その場で想いが完結してしまう。全てを受け止めてくれる人を、つい自分の理想と考えてしまうけど、ただ湧き上がってきたのをそのまま出すのは独り善がりなんだって、表現上考えるキッカケになったのかもな。
このように 他と違った鋭い感性を持った息子を 持った母親は 内心 ではもて余すと言うか うんざりするようなところがあったに違いない。 息子のややこしい心情を 凌(しの)いだ母親のおかげもあり 基次郎は大成したのであろうと感じた。
「……通る人の運命を暴露して見せる路……」はやがて暗い杉林に入って行く。梶井はコントラストを好む。明暗だ。人はやがて闇(暗)に呑み込まれる。死への存在(Sain zum Tode)を意識し自己実現する。
誰かが私たちを見てその関係を言い当ててはくれないか、もしかするとそれは私が望んだものであるのかもしれない 母と子ではなく、兄妹、若しくは他の関係だと、言ってくれれば闇は晴れ、堂々としていられるのに。 そんなことを考え、ふと呟かれる母の疑問に幻想だと打ち消されてしまった。
みんなの感想を読んでいると、本当に、ああ、その言葉だの文だのというのには、受け取った者こそが意味を与えるのだなと思いました。
闇の書...?一段落目の私の頭の中の 混乱した家系図のことかな? それともどこまで路を行っても誰に見られているかわからないそのスパイラルのこと? タイトルってどうやってつけてるんだろうね
うん…うん?この題にこの内容なら、この量は相応しくなくないですか?あまり短編小説を読まないので、その妙があまりわかりませんでした。
人の感情の起伏や善悪など、所詮は御しきれるものでは無いのだと感じました。 しかし、その散らばった纏まりの無さに更に人間味を感じ、醜さと美しさを発見するそんな文章に思えました。
お母さまが素敵なのはわかった(笑)
よく分からない
通る人の運命を暴露して見せる道。 弟たちの母と、自分。
読み終わってまず思ったのは、 主人公の『私』は若い母に恋愛感情を抱いてしまっているのだ、ということです。 時折出てくる若い母の美しさやなめかましさの表現も、実の母に抱くにはいささか扇情的な気がしました。 弟たちの母、という表現から、もしかしたら義理の母なのかもしれません。 そういった若い母に対する表現が謎めいていて、いろいろな想像が掻き立てられます。 文章にでてくる四季の表現、周りの情景描写も丁寧で、『私』の思考がよく掴めるようでした。
美しい情景描写。