月の陰と 太陽の陰。 太陽を背にして 自分の陰を しばらく 凝視していると 錯覚で 空に 巨大な 自らの陰を 視られることは ないわけではない。 月を 背にすると どうなるのか。 自分を もて余していた彼は 勝負にでたのかと感じた。
月光下の自分の影にKは殺された。 犯人はKの影だ! 自殺ではなく、他殺だ。 月は教唆犯だ! 月が影を産み彼を殺し、彼は月となる。永遠の輪廻。この浜辺に過去に何人ものKのような人間が居ただろうか? 普通、人(鈍感で大胆で粗野な強靭で勝ち組でイケメンで女にモテて金持ちでマッチョな男)は影に気付かない。何故なら昼間活動、人間としての営みは日中だ。太陽下の自分の影と闘っても影を殺すことができる。無意識に殺しているのだ!夜は、(酒に酔って)就寝して明日の希望の夢を見る。 ところが、 Kのような人間(繊細でナイーブで寡黙で思慮深く孤独で暗い人間)は、逆転する。 昼間は悪夢に魘される。そして夜な夜な、月明かりに誘惑され、影の餌食になる。月は悪魔だ!生贄を捜している。死の連鎖だ。連続殺人だ! 青空文庫ファンはKタイプではないか? 少なくとも私はKに近い。
平沢進のムーンタイムが好きな人は読んでみてはいかが?
「現実の世界が全く身に合わなく思われて来る・・・」とK君は語っている 虚構の世界は影(=アヘン)そのもので、影がKを殺した 月へ昇天した 虚構と現実の区別がつかない精神状態が自殺へとKを追いこんだ 「Kの昇天」というタイトルだけなら 文学的でKの死は美化されるかも知れないが梶井は「戓いはKの溺死」とつけ加えることを忘れてない Kは溺れ死んだだけなのだ! マスコミが皆、K同様に精神疾患者であれば別だが、ニュースや新聞で仮に報道されたとしても、1分や3行に満たない扱いであろう Kという人が死んだ、という事実だけで、日常のone of themにすぎない
短いながらも心に残り続ける作品です。 夜の深く青い海と空、水の冷たさ、月の明るさと影のコントラスト。 情景が目に浮かびました。
読みやすくて文章がきれいだと思った
病的な感じだ。
ハッピーエンドの話ではないのですが、読み終わるとうっとりしてしまいました。なんとも美しい。 彼は月の影にころされたのでしょうかね。自分の影に殺されたのでしょうかね。