旅情での13年前の自分に出逢い。古びた景色。暗闇の中での燐寸の焔と列車の響きと光の残像。芥川の蜜柑と繋がる自分がいたことを許して下さい。
古い 座布団を 日向に 干し 見知った 友の家を 見掛け なんという 旅情だと つぶやく。機関車の 激しい 通過の 響きの 脇で 普段着のまま 故郷に 向かいたく なったりする。詩情溢れ 素晴らしい 作品と 想った。
ぶつような激しさをもつ郷愁がよく伝わってくる。汽車のシーンで特に。
久しぶりに梶井を読むが、 やはり、 「暗闇」 だ。 「得体の知れない」感情なのだ! 夜逃のような一家での引越(都落) 自分だけ再びその町近くでの学生生活 昔住んだ町の様子を見たくなる気持ちはよくわかる 私も実際、松戸、名古屋、博多などを巡った経験がある 全く知らない名前の表札に得体の知れない違和感と不安を抱く 自分だけが取り残された疎外感 俺はココにいるぞ! 我にかえり、家族を思い出す 明日、帰ろう
なんという旅情だ。 子供の頃に夜逃げした町を再び訪れる青年の胸中。