「ラムプの影」の感想
ラムプの影
ランプのかげ

正岡子規

分量:約6
書き出し:病の牀に仰向に寐てつまらなさに天井を睨んで居ると天井板の木目が人の顔に見える。それは一つある節穴が人の眼のやうに見えてそのぐるりの木目が不思議に顔の輪郭を形づくつて居る。其顔が始終目について気になつていけないので、今度は右向に横に寐ると、襖にある雲形の模様が天狗の顔に見える。いかにもうるさいと思ふて其顔を心で打ち消して見ると、襖の下の隅にある水か何かのしみが又横顔の輪郭を成して居る。仕方が無いから...
更新日: 2023/11/11
19双之川喜41さんの感想

 天井板の木目模様が 人の顔に見えて 気になるので 寝返りをうつと こんどは 襖にある 雲形の 模様が 天狗に 見えたりする。 気が散る中 寝床で 仕事に 励む。超人的な 気力と 思う。 

更新日: 2016/09/14
芦屋のまーちゃんさんの感想

こういう経験は誰でもある。 古い旅館などに泊まったときなど。 天井のしみが気になる。 健康な者でもそうなのだから、 病床の身ならなおさら、不安と恐怖であらゆるものが顔となって襲いかかるのだろう。ランプの影に死者の顔が見えたときの子規は自分の死期を悟ったのではあるまいか?