「器楽的幻覚」の感想
器楽的幻覚
きがくてきげんかく
初出:「近代風景」1928(昭和3)年5月号

梶井基次郎

分量:約7
書き出し:ある秋|仏蘭西《フランス》から来た年若い洋琴家《ピアニスト》がその国の伝統的な技巧で豊富な数の楽曲を冬にかけて演奏して行ったことがあった。そのなかには独逸《ドイツ》の古典的な曲目もあったが、これまで噂ばかりで稀にしか聴けなかった多くの仏蘭西系統の作品が齎《もた》らされていた。私が聴いたのは何週間にもわたる六回の連続音楽会であったが、それはホテルのホールが会場だったので聴衆も少なく、そのため静かなこ...
更新日: 2025/04/18
猫のにゃんたろうさんの感想

感受性が強すぎて繰り返して出席する彼には最後が辛かったのでは、と思った。また不眠症が苦しめるなんて耐えがたいだろうな

更新日: 2024/04/23
19双之川喜41さんの感想

 現代作曲家は 静寂さも 曲の一部として 見立てて 作曲すると 何かで 見たことが あるような 気がするけど 基次郎は 演奏に 没頭しても 気が散っても 不眠症の 種に なって終うようである。凡人であれば 会場を 後にするときの あの 高揚感を 味わえれば かなりの 成果なのだが 先鋭的な感覚を もつものは 後を引くので いろいろ ややこしいものだと 感じた。

更新日: 2021/12/05
いちにいさんの感想

音楽会に見る形式主義、権威に圧倒されてしまう庶民的感覚に嫌気がさした。喝采しては静まり帰ったり、静まり帰ったとき、孤独感を感じる。

更新日: 2021/03/02
70bffc8c5a26さんの感想

グワウッ、グワウッってやったことあるよね。おんなじ人がいてとても嬉しかったし、全ての描写が美しいと思った。

更新日: 2018/04/04
富田百さんの感想

なんと豊かな感受性によって描かれているんだろうと。 思うに、日本語は世界で一番美しい言語ではないだろうか。 表現に富んだこの言葉たち。 それらが持てる美しさを最大限に引き出すのが、梶井さんの才能だと思った。

更新日: 2017/02/20
暖派さんの感想

喧騒の中にある孤独 言葉、音楽、意味のある色のあるざわめきが突然意味のない音の集合体になる 孤独感、心の動きをわかりやすく綴った随筆ではないだろうか。