死せる魂
しせるたましい
02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
02 または チチコフのへんれき だいいちぶ だいにぶんさつ分量:約389分
書き出し:第七章だらだらと退屈な長の道中のあいだ、寒さや、雪融や、泥濘や、寝ぼけ眼の宿場役人や、うるさい鈴の音や、馬車の修理や、啀みあいや、さては馭者だの、鍛冶屋だの、その他いろんな街道筋の破落戸《ごろつき》どものためにさんざん悩まされた挙句、やっとのことで旅人の眼に、自分を出迎えにこちらへ近寄って来るような、懐かしい我が家の灯影がうつりだす——と、やがて彼の目前には見馴れた部屋々々が現われ、迎えに駈け出し...