「狼疾記」の感想
狼疾記
ろうしつき
初出:「南島譚」1942(昭和17)年11月

中島敦

分量:約62
書き出し:養其一指、而失其肩背、而不知也、則為狼疾人也。——孟子——一スクリインの上では南洋土人の生活の実写がうつされていた。眼の細い・唇の厚い・鼻のつぶれた土人の女たちが、腰にちょっと布片を捲いただけで、乳房をぶらぶらさせながら、前に置いた皿のようなものの中から、何か頻《しき》りにつまんで喰べている。米の飯らしい。丸裸の男の児が駈けて来る。彼も急いでその米をつまんで口に入れる。口一杯頬張りながら眩《まぶ》...
更新日: 2022/04/20
19双之川喜41さんの感想

 頭尾は 整ってないように思えるし 構想も見えてはこない。 詩情は 伝わりにくいようだ。 冒頭のスクリインの土人の実写の描写は、意味を測りかねると感じた。

更新日: 2019/11/20
b9ef941530ccさんの感想

中島敦の狼疾記の主人公の三造は、おそらく中島敦自身ではなかろうか。あまり面白くない。

更新日: 2015/06/23
80a6b5c171cbさんの感想

共感はする。 最初は実存主を意識して書いたのかなと思った。しかし、サルトルではない。同時代すぎる。なんせ、博覧強記の中島敦だから知らない名前も沢山でてくるし、なにか誤読を許さない頑なさを感じた。それでいて、最後は全否定。小説の形を借りた遺書がわりの散文か。 中島敦の小説は面白い。だが、この作品は面白くない。きっと小説ではないんだ。