頭尾は 整ってないように思えるし 構想も見えてはこない。 詩情は 伝わりにくいようだ。 冒頭のスクリインの土人の実写の描写は、意味を測りかねると感じた。
中島敦の狼疾記の主人公の三造は、おそらく中島敦自身ではなかろうか。あまり面白くない。
共感はする。 最初は実存主を意識して書いたのかなと思った。しかし、サルトルではない。同時代すぎる。なんせ、博覧強記の中島敦だから知らない名前も沢山でてくるし、なにか誤読を許さない頑なさを感じた。それでいて、最後は全否定。小説の形を借りた遺書がわりの散文か。 中島敦の小説は面白い。だが、この作品は面白くない。きっと小説ではないんだ。