この作品は 筋立てだけに 主力がある 小説という訳では ないけど 夫の友人である 画家が 主人公(道助)の妻を 描きたがるので やむなく 人物画の作成を 依頼する。道助は 画家のモデルから 偶然出合った折りに 彼女の 自宅に 寄っていくように 誘われたりするけど それを 断り 「意気地なし」と 罵倒される。人物画と 静物画では 確かに 描き手の 心の置き所は 微妙に 異なるのは 有り得るだろう。妻が 泣き伏すの 辺りは 私は ない方が 余韻が 残るかもしれないと 感じた。ともあれ 心理描写に 巧みなものが 光った。