「鬱屈禍」の感想
鬱屈禍
うっくつか

太宰治

分量:約5
書き出し:この新聞(帝大新聞)の編輯者《へんしゅうしゃ》は、私の小説が、いつも失敗作ばかりで伸び切っていないのを聡明にも見てとったのに違いない。そうして、この、いじけた、流行しない悪作家に同情を寄せ、「文学の敵、と言ったら大袈裟《おおげさ》だが、最近の文学に就いて、それを毒すると思われるもの、まあ、そういったようなもの」を書いてみなさいと言って来たのである。編輯者の同情に報いる為にも私は、思うところを正直に...
更新日: 2022/03/22
19双之川喜41さんの感想

 高名な彫刻家が モオゼの窮屈な像の製作をしたのは 大理石の不足のためではなく 他に理由があるとの 高説が枕で 太宰は「私の小説が下手くそなのは 心中に濁ったものがあるから」と しおらしく 自省するのである。