太宰治
「女の決闘」という 創作集を 出版したので それを機に 自作について 語るように 言われても 書くことは なにもないので 友人に 語らせた。 山岸外史君からの手紙。「走れメロス」その義、神(しん)に通ぜんとし、「駆け込み訴え」その愛欲、地に帰せんとす。亀井勝一郎からの手紙。「走れメロス」再読三読いよいよ、よし。傑作である。