「田原氏の犯罪」の感想
田原氏の犯罪
たはらしのはんざい
初出:「黒潮」1917(大正6)年8月

豊島与志雄

分量:約70
書き出し:一重夫《しげお》は母のしげ子とよく父のことを話し合った。それは、しげ子にとっては寧ろどうでもいい問題であったが、重夫にとっては何かしら気遣わしい、話さないではおれない問題であった。実際、重夫の父田原弘平は凡てに於て観照家でそして余りに寛大であった。然しそれはいいことであったかも知れない。ただ重夫が気遣わしく思ったのは、物にぶつかってゆく力を欠いだ父のそうした生活態度を通して、父のうちに或る空虚が澱...
更新日: 2022/04/04
19双之川喜41さんの感想

 この作品は  逆張を 狙った ように みえる。 詩情あふれる 描写が 続き 終幕で 解題のような 綴りが 示される。 なので 筋立ては あまり 重視されておらず 唐突に 感じてしまった。 しかし かなりうまくいった 斬新な 試みと 言えよう。