「裸木」の感想
裸木
はだかぎ
初出:「新潮」1926(大正15)年9月

豊島与志雄

分量:約40
書き出し:佐野陽吉には、月に一度か二度、彼の所謂「快活の発作」なるものが起った。初めはただ、もやもやっとした、煙のような、薄濁りのした気分……。それが次第に濃くどんよりと、身内に淀んできて、二つの異った作用を起した。一つは、頭脳がひどく鈍ってきた。一種の毒気みたいなものが、頭の中に立罩めて、こみ入ったことは考えられなくなり、細かなことは感じられなくなり、あらゆる陰影や色合が失せて、変に露骨になるのだった。丁...
更新日: 2020/11/09
19双之川喜41さんの感想

 赤ん坊の 描写を  中心に据えた 文章を  初めて 読んだような気がする。 妻を亡くしたばかりの親友は  幼児を眺めに しげしげと 通ってくるので  自分の妻に  想いがあるのかと思ったりするけど  そうでもないらしく 形のある 空虚について  話したりはする。