「別れの辞」の感想
別れの辞
わかれのじ
初出:「中央公論」1935(昭和10)年4月

豊島与志雄

分量:約46
書き出し:一あの頃島村の心は荒れていた、と今になっても多くの人はいうけれど、私はそれを信じない。心の荒れた男が、極度の侮蔑の色を眼に浮かべるということは、あり得べからざることだ。冴えた精神からでなければ、ああいう閃めきは迸り出ない。尤も、島村については、いろいろ芳しからぬ噂が私達の間に伝わっていた。私自身も、彼について漠然とした危懼を感じていた。当時私はいろんな用件で——それも彼のための用件で——急に彼に逢...
更新日: 2020/11/16
19双之川喜41さんの感想

 「そんな話 何の意味もないじゃないの」 と文中にあるけれど 常習飲酒者と称して 文学的な 苦悩を払拭するために 連日飲み歩く。 何やら通奏低音としては 太宰の作風を思わせないでもないと感じた。