泉鏡花
昔は六歳児が 親を見失うと 羅卒(らそつ)が 偉そうに聞き出そうとしたり 長屋者の女が 守り札を 付けないのが そも いけないのだと 声高に責めたり わんこに舐め回されたりで 子は 泣く暇もない。 鏡花は 云わば デッサンにも 力量を示すと感じた。
昔言葉の表現がなかなか難解であった。
嘲笑するだけで世間はなにもしてくれない。虚しさだけが残る。