「家常茶飯 附・現代思想」の感想
家常茶飯 附・現代思想
かじょうちゃはん ふ・げんだいしそう

リルケライネル・マリア

分量:約98
書き出し:第一場広き画室。大窓《おおまど》の下に銅版の為事《しごと》をする卓《たく》あり。その上に為事半ばの銅版と色々の道具とを置きあり。左手に画架。その上に光線を遮るために使う枠を逆さにして載せあり。室《しつ》の真中《まんなか》に今一つの大いなる画架あり。その脇《わき》に台あり。その上に色々の形をなしたる筆立《ふでたて》に絵筆を立てあり。筆立の中《うち》には銅器にて腹のふくらみたるも交《まじ》れり。絵具入...
更新日: 2025/09/20
艚埜臚羇1941さんの感想

  記者との 対談というか 独談が 後半に 記されている。文学作品を 自ら 解説 するのは 外道の 極みで あることを 鴎外は 充分に 自覚しつつ それでも 饒舌を 振るう。前半の 「家常茶飯」には 独身の 姉が 母親を 大切に 思い 心くばりを するのが 丁寧に 記されているけど 日本の 古来の 親孝行とは 隔たりが 在ることに 鴎外は 気付いて このような 企画に 応じたのでは ないかなと 勝手に 感じた。記者は 土産に 文献類を いろいろと 頂戴して 帰路に 就くけど 彼が 読んだのか 何を 感じたのかも きになった。