「路上」の感想
路上
ろじょう
初出:「青空」青空社、1925(大正14)年10月号

梶井基次郎

分量:約10
書き出し:自分がその道を見つけたのは卯《う》の花の咲く時分であった。Eの停留所からでも帰ることができる。しかもM停留所からの距離とさして違わないという発見は大層自分を喜ばせた。変化を喜ぶ心と、も一つは友人の許《もと》へ行くのにMからだと大変大廻りになる電車が、Eからだと比較にならないほど近かったからだった。ある日の帰途気まぐれに自分はEで電車を降り、あらましの見当と思う方角へ歩いて見た。しばらく歩いているう...
更新日: 2024/05/02
8eb05d040692さんの感想

普段は通らない小径をあえて行く。その気持ちは分かるし、よくやったけど、足場の悪いところは避けるべきかな。

更新日: 2024/04/23
19双之川喜41さんの感想

 何時もの道とは 異なった 小径に ことさらに 迷い込んで見る。滑ったりすると 誰かに 見られてはいないかと 気にはなる。帰途 書かないでは いられないと 決意を 新たにし 開けてみた 鞄からは とても 入りそうにはない 泥の塊を 見つける。詩情あふれる 文章と 感じた。

更新日: 2023/04/28
鍋焼きうどんさんの感想

ちょっと冒険をして、その経験から得た自分の感情の動きを文字に留めておきたいと強く思ったのだろう。作家の性(さが)だ。自分の心の中を深く探っていく作業がこの掌編を生んだ。

更新日: 2020/11/05
yopparariさんの感想

私なら見過ごしてしまいそうな、日常の些細な感覚をすくい上げるのが上手すぎる

更新日: 2018/10/28
いちにいさんの感想

「……自分の意識というもの、そして世界というものが焦点を外れて泳ぎ出して行くような気持……」 何となく、言わんとしていることはわかる。 誰かに見られていないか、という警戒心。世間体。見栄。 そこからの解放心。自由。白昼夢?秘密。本音。羞恥心。外れて泳ぎ出して行くものたち。