「白痴」の感想
白痴
はくち
初出:「新潮 第四十三巻第六号」1946(昭和21)年6月1日

坂口安吾

分量:約59
書き出し:その家には人間と豚と犬と鶏と家鴨《あひる》が住んでいたが、まったく、住む建物も各々の食物も殆《ほとん》ど変っていやしない。物置のようなひん曲った建物があって、階下には主人夫婦、天井裏には母と娘が間借りしていて、この娘は相手の分らぬ子供を孕《はら》んでいる。伊沢の借りている一室は母屋から分離した小屋で、ここは昔この家の肺病の息子がねていたそうだが、肺病の豚にも贅沢すぎる小屋ではない。それでも押入と便...
更新日: 2025/05/15
上手いさんの感想

最後が良かった。 女性が、勇気が出ずに群衆に戻ろうとした時、主人公が手を引いて勇気を与えたシーンは心がジーンとして、2人のこの後どうなったのか気になる。

更新日: 2022/06/03
9addaa1036a1さんの感想

安吾節が利いている。醜悪の美。

更新日: 2021/07/08
f02b71c47b8eさんの感想

覚醒剤の力も借りてはいるが圧倒的な迫力で一気に読ませる。 「差別語」とかホザいてる人間は「文学作品」というものを何だと思っているのだろう? はっきり言って「小説」を読む資格さえないと思う。

更新日: 2021/04/28
e6e0ebb10ed6さんの感想

主人公は自分自身も人も大嫌いだけれど自分の才能を信じたかったり他人や何かを信じたいような…主人公なりの真実を探そうという世界への足掻きのようなものを読んでいて感じれた それは若者らしい矛盾している思考で懐かしさがあった

更新日: 2021/01/02
d78ac9bc6a21さんの感想

ドラマチック。

更新日: 2020/09/19
1b3197e43101さんの感想

差別語のオンパレード。何かを見下さなければ、自分自身が生きてる気がしない男の独り言。戦時の荒んだ自分の心の醜さを表現したかったのだろうか。

更新日: 2020/05/09
D@梟さんの感想

白痴の女を押入に住まわせる男 東京に空襲が来て 死の恐怖と羞恥を天秤にかける 極限状態で揺れ動く女への男の感情が面白い 特にクライマックスに向かう男の感情

更新日: 2020/04/16
b7ac44016ba1さんの感想

爆撃の最中の臨場感がありすぎて、自分自身が巻き込まれているようで読んでいてそわそわした。 感覚が麻痺するほどそこらじゅうに転がる肉塊。 それらの背景に想いを馳せる暇もなく通りすぎる気持ちってどんなのだろう。それは生き延びるための精神的な防御なんだろうか。 主人公が白痴とあちこちを逃げまわる中ヒーローのような気持ちに流されそうになったり、かと思えば今の状況を冷静に俯瞰していたりその心境の振れ方もすごくリアルに感じた。

更新日: 2020/04/09
19双之川喜41さんの感想

 偶然から 白痴の女と同棲し 空襲下の 焼け跡を 逃げ惑う。 張り合いがないから 女を捨てることは しないと言う。 明日に 希望がないので 捨てない。 成る程と 思った。

更新日: 2020/02/02
青葉ずくさんの感想

主人公の心理描写も良いが、空襲の描写も素晴らしい。

更新日: 2019/12/17
3fb5267a3520さんの感想

堕落論の小説編といった内容。 焼き鳥や火事で暖を取るシーンは堕落論にもある。逃げ惑う人々の姿がリアルで恐ろしいが、坂口安吾が書くと破壊の先に真実が見えてくるような気がする。 白痴さんは名もなく、白痴とか豚とか今書けば人権問題かもしれませんが、物語の始めに普通の人達の方が余程おかしいと書いてある。 白痴さんの元旦那さんの気違いさんの話が中途半端でもう少し突っ込んでくれないかと思う。 白痴さんは爆弾から逃げた後に初めて意志を表す様に書いてあるけれど、伊沢に好意を持ったのも意志の表れではないか、矛盾を感じる。そこら辺が手抜き感がある。 野外で布団にくるまって寝る白痴さんは、確かに豚かもしれないけれど、何か可愛らしさが私には感じられる。 戦争の愛情によって二人は一緒に居る。 ラブストーリーなのか、無情感なのか自分には分からない。

更新日: 2018/10/07
花藤さんの感想

芸術は無力だの喚く人とか、妹を始末する姉とか、そうした理知ある人よりこの白痴の方がよっぽど純粋で、疲れた主人公には合うんだろうね

更新日: 2018/03/01
まえにいさんの感想

主人公は冴えぬ青年で空虚な生活のために刺激を欲していたところ、そこに[白痴]と[戦争]が舞い降りる。 人間というモノをとことん卑下する主人公にとって動物以下である白痴は稀有な存在であったらしい。 中途の大空襲の描写は圧巻である。

更新日: 2017/08/24
35d0ebca9976さんの感想

最初はつまらないと思っていたが、途中から面白くなってきた。なかなか面白かった。

更新日: 2016/06/28
bb2573d0a0faさんの感想

戦争という異常事態において一種の興奮状態にある主人公の、人間の本能的な愛欲にまみれた描写が生々しく感じられた。

更新日: 2015/12/13
b6226aa70d42さんの感想

陰鬱な感じだ。