「勉強記」の感想
勉強記
べんきょうき
初出:「文体 第二巻第五号(五月増大号)」1939(昭和14)年5月1日

坂口安吾

分量:約47
書き出し:大震災から三年過ぎた年の話である。昨今隆盛を極めているアパートメントの走りがそろそろ現れた頃で、又青年子女が「資本論」という魔法使いの本に憑《つ》かれだした頃でもあった。生活の形式にも内容にも大きな転換期が訪れようとしていた。「近代」が、また「今日」が、始まろうとしていたのである。涅槃《ねはん》大学校という誰でも無試験で入学できる学校の印度哲学科というところへ、栗栖按吉《くりすあんきち》という極度...
更新日: 2022/06/21
8b8adbf806c4さんの感想

自分にも途中で勉強を諦めた分野があった事を思い出した。 試験会場で、さっぱり解けない問題を諦念の思いと共に眺めたあの三時間を思い返すと、どうしても惨めで、それから五年は経ってもまだぼんやりと辛かった。 合わない事を合わなかったと認めるのは大変な事だけれど、これを読んで、何かを途中で辞めたのは自分だけで無いのだと少しホッとしたし、こんな風に笑いに変えられる強さを素敵だとも思った。 勉強なんて楽しくなくて面倒で、挙げ句に失敗なんかしたらもう自分を辛くするだけで、ちっとも割に合わなくて、でも何かをやり始められたなら、それだけでも“良”なんだろうな。 と、そんな、挑戦を肯定するような気分にさせてくれる。 今はまた違う分野の勉強をしているから、疲れた時にまた読もうと思う。

更新日: 2020/10/06
yopparariさんの感想

目的に向かって悩みながら進んだ道のりは、その目的を諦めた時にどう取り扱われるのだろうかと思った。

更新日: 2019/11/08
19双之川喜41さんの感想

 数頁毎に 吹き出す。 人前では読まないほうが 良いと思う。 安吾は 学者数人分の 勉強を続けた人なので それだから 書けたとも言える。 勉強中の方々 読めば 必ず 気が晴れます。

更新日: 2017/09/03
芦屋のまーちゃんさんの感想

ねはん大学とは東洋大学も甚だ迷惑な話であろう。