織田作之助
気丈な若女将の物語。意地悪な姑と小姑、ぼんくら亭主という定番のキャストを捌いて寺田屋を守っていく。
婚礼の席の 蛍に 始まって 最後の文まで 巧みに 散りばめられている。 赤子の泣き声も 耳につくほど うまい。 歴史上で有名な 宿屋を 舞台にしているのは 意外だった。
女攘夷志士と言われた登勢の話。さっぱりした強い女の物語であった。この物語において蛍とは命を燃やして懸命に生きるもののことを言うのだと思った。