「蛍」の感想
ほたる
初出:「文芸春秋」1944(昭和19)年9月

織田作之助

分量:約29
書き出し:登勢《とせ》は一人娘である。弟や妹のないのが寂《さび》しく、生んでくださいとせがんでも、そのたび母の耳を赧《あか》くさせながら、何年かたち十四歳に母は五十一で思いがけず姙《みごも》った。母はまた赧くなり、そして女の子を生んだがその代り母はとられた。すぐ乳母《うば》を雇い入れたところ、おりから乳母はかぜけがあり、それがうつったのか赤児は生れて十日目に死んだ。父親は傷心のあまりそれから半年たたぬうちに...
更新日: 2022/09/09
鍋焼きうどんさんの感想

気丈な若女将の物語。意地悪な姑と小姑、ぼんくら亭主という定番のキャストを捌いて寺田屋を守っていく。

更新日: 2020/04/24
19双之川喜41さんの感想

 婚礼の席の 蛍に 始まって 最後の文まで 巧みに 散りばめられている。 赤子の泣き声も 耳につくほど うまい。 歴史上で有名な 宿屋を 舞台にしているのは 意外だった。

更新日: 2019/11/28
六花亭四号さんの感想

女攘夷志士と言われた登勢の話。さっぱりした強い女の物語であった。この物語において蛍とは命を燃やして懸命に生きるもののことを言うのだと思った。