「漫画と科学」の感想
漫画と科学
まんがとかがく
初出:「電気と文芸 第二巻第三号」1921(大正10)年3月

寺田寅彦

分量:約11
書き出し:漫画とは何かという問に対して明確なる定義を下す事は困難であろう。また漫画とそれ以外の絵画との間に截然《せつぜん》たる区劃線を引く事も容易ではない。漫画家自身でもおそらく人によってこれに関する所見を異にするに相違ない。今ここで私がせっかく苦心して定義をこしらえても、それは結局甲某の定義にしかなりそうもない。それで以下に漫画として論ずるものも結局私の頭の中にある漫画というものの概念に過ぎないから、それ...
更新日: 2025/05/14
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1541  いまや 漫画は 堂々たる 地球的 市民権を 得るに 至った。少し 前までは 恥じらいを もって 漫画 愛好家 であると 告白していたけど 今や なにが 悪いのさの 世界に 成り下がり 政治家 学者 文学者なども 挙って 漫読に 没頭している。近いうちに 公文書 科学論文も コミックで 表記するように なっても 違和感を 覚える人は 変人 奇人と 揶揄されなく なるかもしれない。婚姻届 死亡届 逮捕状 などなど 漫国 共通と 呼ぼう。漫歳。

更新日: 2021/08/29
bc43847ac151さんの感想

大正時代の漫画についての評論ですが、作者が現代の漫画を見たらどう思うか気になった。

更新日: 2020/11/09
19双之川喜41さんの感想

 漫画の 今日の繁栄を 予期することは 無かったようで 寅彦は 上から目線で 難解というか 解らん立論を 展開する。 この格差に 驚嘆すると感じた。

更新日: 2016/05/28
芦屋のまーちゃんさんの感想

なにも寺田がジャンプやチャンピオンやサンデー、マガジンましてやキングなどの少年漫画雑誌を読んでいた訳ではない。バンベリーの「新兵」やジャン・ヴェヴェーの「銭投げ」の類の漫画を論じている。それがどんな漫画かは知らぬが想像はつく。鼻の大きい人の鼻を誇張して実寸よりも大きく描く技法は科学的アプローチと以ているらしい。しかし、別にマンガを科学の水準まで引き上げる必要もあるまい。マンガはマンガである。それよりも、気になるのは寺田にとっての落語や川柳の存在である。文学>落語、俳句>川柳。 低俗で卑猥との評価。理由は落語や川柳の作者が精神的素養の欠如した階級に属しているから、と言っている。寺田自身にエリート意識があるから平気で「階級」という言葉を選べるのだろう。残念である。