「落雷のあと」の感想
落雷のあと
らくらいのあと

――近代説話――

――きんだいせつわ――初出:「文芸春秋」1946(昭和21)年11月

豊島与志雄

分量:約18
書き出し:雷が近くに落ちたからといって、人の心は俄に変るものではありますまい。けれど、なにか心機一転のきっかけとなることはありましょう。そういうことが、立川一郎に起りました。暑い日、というよりは寧ろ、乾燥した日でした。午後、流れ雲が空のあちこちに浮んでいたのが夕方になって、消え去ったり寄り集まったりしているうちに、更にその上方高く、入道雲が出てきまして、両方が重り合い乱れ合って、急に暗くなってゆきました。そ...
更新日: 2020/12/27
19双之川喜41さんの感想

 社長の家の庭の大きな 欅の木に雷が落ちたの を 眺めに行って会社に遅刻してしまう。 それがきっかけかどうかわからないけど  しばらくして会社に辞表を提出する。 脈絡がつかみにくい割には 妙な魅力があると思った。

更新日: 2019/02/23
8e46b5bc1c6aさんの感想

欅が真っ二つに裂ける落雷と一郎さんの決断。魅力的な話。

更新日: 2019/02/22
まさえさんの感想

一郎に変化をもたらしたのは雷でもなく真っ二つに別れた欅でもない。 鮨さえ食べれれば本望と嘆く弱った母、その鮨を当たり前の様に毎日食べる社長。その社長から貰ってくる余り物の米飯。 今の日本では感じづらいものなのかもしれないが、世界には今でもそう珍しくない不公平な環境だ。 戦争中、戦争後にこの苦い現実を味わった数えきれない一郎一家に同情すると共に今でもこの不公平は存在する事を忘れてはいけないと考えせる作品だと感じた。