社長の家の庭の大きな 欅の木に雷が落ちたの を 眺めに行って会社に遅刻してしまう。 それがきっかけかどうかわからないけど しばらくして会社に辞表を提出する。 脈絡がつかみにくい割には 妙な魅力があると思った。
欅が真っ二つに裂ける落雷と一郎さんの決断。魅力的な話。
一郎に変化をもたらしたのは雷でもなく真っ二つに別れた欅でもない。 鮨さえ食べれれば本望と嘆く弱った母、その鮨を当たり前の様に毎日食べる社長。その社長から貰ってくる余り物の米飯。 今の日本では感じづらいものなのかもしれないが、世界には今でもそう珍しくない不公平な環境だ。 戦争中、戦争後にこの苦い現実を味わった数えきれない一郎一家に同情すると共に今でもこの不公平は存在する事を忘れてはいけないと考えせる作品だと感じた。